ヘルペスができる原因 単純ヘルペスと帯状疱疹の原因

ヘルペスはウイルス感染による病気

ヘルペスウイルスに感染することで、口唇ヘルペスや性器ヘルペス、帯状疱疹などが発症します。日本人の70%近くがヘルペスウイルスに感染していると言われている程、とても身近な病気です。ヘルペスウイルスに初めて感染した場合、9割近い人は不顕性感染と呼ばれる特に自覚症状が無く感染します。その為、いつ感染したのか分からないまま他人にうつしてしまうことで、ヘルペス感染が蔓延している原因のひとつでもあります。ヘルペスウイルスは感染力が非常に強く、更に感染経路が多岐に渡りどこからでも感染してしまう為、感染を完全に防ぐ方法はかなり難しいのが現状です。

ヘルペスウイルスに感染すると、皮膚に水ぶくれ等の病変が起こします。しかし感染箇所と感染するタイミングによって病状が大きく変わり、妊娠・出産時に赤ちゃんに感染してしまうと、致死率が極めて高いヘルペス脳炎を起こす可能性が高くなります。

ヘルペスウイルス初感染

ヘルペスに感染

日本人の多くは子どもの頃にヘルペスに感染しています。知らない内に、親や兄弟、近所の人や学校などで感染しています。単純ヘルペスウイルス初感染時に症状が出ても小児の内に感染していると、重症化しないで済みます。1周間程度の潜伏期間を経て高熱とともに感染箇所を始め皮膚に赤い腫れや水ぶくれなどの病変があらわれます。

水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus)に感染すると、水疱瘡(みずぼうそう)を発症します。任意だった予防接種が定期予防接種になったことで、発症自体が低くなりました。

厚生労働省によれば、水疱瘡は年間100万人程度が発症し、4,000人程度が入院、20人程度が死亡していると推定されています。2014年10月1日から水痘ワクチンの予防接種が開始され、1回接種で重症化を回避でき、2回目を接種することで軽症も含め水疱瘡の発症自体を予防できるようになります。

生後12月から生後36月に至までが対象で、2回の接種を行うこととなっており、1回目の接種は標準的には生後12月から生後15月までの間に行います。2回目の接種は、1回目の接種から3月以上経過してから行いますが、標準的には1回目接種後6月から12月まで経過した時期に行うこととなっています。

※引用:厚生労働省 水痘

単純ヘルペスウイルス

単純ヘルペスウイルスに感染しても、9割は自覚症状が出ません。しかし残りの1割の場合は、重症化しやすく、子どもの頃に初感染して発症するより、大人になってから発症した方がより重症化しやすいと言われます。

ヘルペスウイルスに初感染時には、2~7日程度の潜伏期間を経てヘルペス性歯肉口内炎を発症します。赤ちゃんが風邪の症状がないのに急な発熱をした場合、ヘルペスに初めて感染した可能性が濃くなってきます。また感染したヘルペスウイルスの種類が1型か2型かで症状が異なり、共通するのは高熱を出します。

体内に潜んだヘルペスウイルスが原因

過度なストレスや疲労、体調不良の時にヘルペスは発症します。

体内に潜んでいるウイルスが、発熱や紫外線、歯科治療などの刺激やストレスを受けることで活性化し、症状を引き起こします。風邪をひいたときに口の周りに水ぶくれができたことはありませんか?それは風邪の症状のひとつではなく、刺激を受けたヘルペスウイルスが活性化し、口唇ヘルペスを引き起こしているのです。

発症するきっかけ

発熱
免疫力の低下
過度のストレスや疲労
紫外線
性行為
歯科治療
レーザー脱毛
胃腸障害

口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスは再発型に分類されるヘルペスの症状の為、発症した場合、既に単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)に感染していたことが判明します。初感染時に特に症状が起きずに、こっそりと三叉神経節に忍び込んでいたヘルペスウイルスが、上記のような何かしらの刺激をきっかけに活性化しだし、症状を引き起こすのです。

性器ヘルペスの原因

性器ヘルペスの場合、多くは性行為で感染します。ヘルペスウイルスキャリアとコンドームを使用しないままオーラルセックスやセックスをすると高い確率で感染してしまいます。感染した場合性行為後2日~21日程度の潜伏期間を経て、外陰部の不快感やかゆみ等の予兆が起きた後、発熱、全身倦怠感、リンパ節の腫脹、強い疼痛等が出て、性器周辺に水ぶくれや潰瘍できます。病変部位は男性は包皮、冠状溝、亀頭に症状があらわれ、女性は外陰部や子宮頚部となります。

原因不明の発症メカニズム

現時点で、体内に潜伏したヘルペスウイルスが活性化するメカニズムや原因は、正確には判明しておりません。そもそも、疲労やストレスといった短期的には身体機能に影響が生じない症状自体が、科学的に解明されていないことも要因のひとつです。

宿主の免疫力が低下していると、ヘルペスウイルス自身が生命の危機を感じ、宿主の体外に生存の可能性を求めて、増殖し活性化し繁殖を目指しているともいえます。ただ結果として、疲労やストレス等で身体が弱っている時にヘルペスの症状があらわれている事実は変わりません。慢性的にヘルペスの症状でお悩みの方は、体調がすぐれない時は特に注意が必要です。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)の原因

「日本人の約7割がヘルペスウイルスのキャリアである」という調査結果がある程、国民的な病気となっているヘルペス。唇の周辺に水ぶくれができる口唇ヘルペスの患者が一番多く、その次に性器に水ぶくれができる性器ヘルペス患者が多く存在します。これら一箇所に症状が現れる単純ヘルペスのほかに、小さな湿疹がたくさん発症したうえに繋がって広がっていく帯状疱疹に悩まれる人も多くなっています。この帯状疱疹は50代以上の女性の発症が多くなっています。

水疱もヘルペスが原因

水疱瘡でできる水ぶくれもヘルペスによる感染症です。2014年から水痘の予防接種が始まったため、水疱瘡を発症する例はどんどん少なくなっていく事が予想できます。しかし、帯状疱疹になると、話が変わってきます。過去に水疱・帯状疱疹ウイルスに感染していて、免疫力が低下してくる中年期以降に帯状疱疹を発症させるケースが増えてきています。特に50代を過ぎて帯状発疹を患う人は、感染経路に思い当たる節がないという人も少なくないでしょう。

実はこのヘルペスウイルスは一度感染すると、体内の神経系の裏側に潜んでいて、完全に根治することが難しいといわれています。すなわち、20代や30代の頃までにヘルペスウイルスに感染し、自覚症状もないままキャリアとなって、体力の衰えた50代を過ぎ、免疫力が低下したことで発症してしまうことがあるのです。

帯状疱疹の要因

過労
加齢による抵抗力の低下
悪性腫瘍
糖尿病
外傷
精神的ストレス
放射線照射
抗がん剤、ステロイド剤等による免疫力の低下

もっとも多い要因は過労によるものと推測されています。症例のデータとして、決算期や連休後、お盆後、年の暮れなどに患者数が増加しているデータがあります。

参考資料:「新版帯状疱疹・単純ヘルペスがわかる本」本田まりこ 株式会社法研

50代以降で患者数が増える帯状疱疹

帯状疱疹の患者数は、体が衰えてくる50代以降に激増してきます。

帯状疱疹の患者数
年齢群別宮崎県の人口、帯状疱疹患者数と罹患率(1997~2011 年の平均)

※引用:厚生労働省 帯状疱疹ワクチン ファクトシート

日本の帯状疱疹の患者数については、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に基づく届出対象疾患に含まれていない為、国内での詳細な調査データは宮崎県と香川県小豆群で実施されていた大規模疫学調査データしかありません。このデータを見る限り、50代以降で患者数が増えています。因みに、海外の帯状疱疹患者数のデータグラフも小豆群のデータグラフも似たような曲線となります。どのデータも、50代以降に患者数が増えている為、地域・国籍・人種を問わず増えることが分かります。その為、特に50代以降の人は発症しないように注意する必要があります。また、今までは帯状疱疹を発症しても再発することは無いと考えられていましたが、近年の臨床結果では、再発する人が出てきています。一度発症したからといっても油断はできなくなってきています。

帯状疱疹と単純ヘルペスの違い

帯状疱疹も単純ヘルペスは、ともにヘルペスウイルスの仲間です。どちらの病気もウイルスに感染したことで様々な病気を発症させます。

帯状疱疹

ウイルスの種類
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
症状
胸や背中、顔面、頭部など感覚神経のある場所に発症する。痛み・水ぶくれなど
感染力
帯状疱疹はうつりにくい。水疱瘡にかかったことが無い人には感染する
後遺症
帯状疱疹後神経痛になることがある
再発度
帯状疱疹自体はほとんど再発しない※近年再発する症例が増えてきています

単純ヘルペスウイルス

ウイルスの種類
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、2型(HSV-2)
症状
唇や顔面、性器などに発症する。症状は軽いことが多い
感染力
感染力が強い
後遺症
ほとんど無い
再発度
一度感染すると、何度も再発することが多い

参考資料:「新版帯状疱疹・単純ヘルペスがわかる本」本田まりこ 株式会社法研

単純ヘルペスの再発頻度

1年当たりの再発平均回数(1991年)

男性 女性
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1) 2.2回 2.1回
単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2) 12.3回 7.2回

参考資料:新版「帯状疱疹・単純ヘルペスがわかる本」ホンダまりこ 著

男性の方が再発しやすい

実は、男性の方がヘルペスを再発しやすく、症状も軽いので、人にうつさないように気をつけましょう。中には、極稀にヘルペスの症状がないのに、口や性器からヘルペスウイルスを出している人もいるそうです。