口唇ヘルペスの症状 - 痛みとかゆみと予兆

口唇ヘルペスとは

口唇ヘルペスは、唇や口元周辺に小さな水ぶくれができる皮膚の病気です。「単純ヘルペスウイルス1型」という種類のウイルスに感染したことで発症します。日本人の10人に1人が発病しているとさえ言われるほど、非常に身近な病気なのです。また、このヘルペスウイルスは一度感染してしまうと、完全に除去するのが難しい上、一生涯潜伏感染し続けます。

口唇ヘルペスは再発しやすく、再発頻度も数年に1回~年に数回と、個人差があります。いくつかの段階を経て病状が現れますので、何度も再発を経験している人であれば予兆を察知することも可能です。

口唇ヘルペスの症状

唇やその周りにピリピリ感やチクチクするような痛みや違和感があると、しばらくして軽い痛みを伴う水ぶくれができてきます。

予兆段階
ヒリヒリやチクチクした痛み
初期症状段階
予兆があってから半日以内に赤く腫れ出す
発症
1~3日経つと赤く腫れた上に水ぶくれができる
大きさ
5mmくらいの水ぶくれができる
回復段階
水ぶくれが破裂した後にかさぶたになります。数日~2週間程度で治ります
完治まで
1~2週間程度で治る

予兆段階

神経節に潜んでいたヘルペスウイルスが神経を通って、口唇ヘルペスを発症させる唇や口周辺の皮膚に到達します。この時に神経を傷つけてしまう為ヒリヒリやチクチクした痛みが出ると言われています。

初期症状段階

皮膚にたどり着いたヘルペスにより炎症状態となります。その為、かゆみや赤く腫れ上がる病変が起こります。この時は、身体の免疫とヘルペスウイルスが戦っている状態となっています。

水ぶくれ

ヘルペスが原因による水ぶくれの正体は、水分とヘルペスウイルスです。粘膜にまで侵入したヘルペスを殺すために、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やキラーT細胞たちがヘルペスウイルスを一斉攻撃します。ウイルスによって侵入された細胞と炎症によって血管からにじみ出た水分とともに作られます。また口などの粘膜だけでなく、頬や手や腕、足などの皮膚でも同様な働きにより水ぶくれとなります。

その為、この水ぶくれにはヘルペスウイルスが詰まっている状態となっているため、ヘルペスウイルスを撒き散らして周囲の人に感染しやすい状況となっています。頬ずりやキス、喋っている時の唾液からでも感染させてしまうため、非常に注意が必要です。

回復段階

水ぶくれが潰れても、ヘルペスウイルスがいますので、危険な状態は続きます。潰れた箇所を触ってしまうと、手にヘルペスウイルスが付きます。ウイルスが付着した手で、感染箇所を拡大させる恐れがあり、もし目を触ってしまい角膜ヘルペスを発症させてしまうと、失明の危険すらあります。

再発時には予兆でわかる人も

口唇ヘルペスは、年に数回再発する可能性があるため、再発経験が何度もある人は、予兆段階で気づける場合もあります。この予兆段階で、患部に軟膏を塗ったり抗ヘルペスウイルス薬を服用していくことで、悪化する前に早く完治できます。唇や口周りに水ぶくれや赤く腫れあがってしまうと、お化粧はオススメできないため、女性であれば一刻でも早く治したいものです。顔の中でも目立つ所にできてしまうため、早めに治療を開始するためには、抗ヘルペスウイルス薬を常備しておく必要があります。市販されている軟膏の種類によっては、口内にできてしまうと塗れない薬もありますので、体全体に効く経口薬を服用しながら治療していくと、治りが早くなります。医療機関でも処方されている「バルトレックス」や「ファムビル」を始め、ジェネリック薬の「セントレックス」や「ビロビル」などが口唇ヘルペスに効果的な薬です。

ヘルペスと勘違いしやすい症状

口唇ヘルペスの症状について説明してきましたが、口唇ヘルペス以外でも唇周辺に赤い腫れや水ぶくれができることがあります。かかりやすい病気のひとつに口内炎があります。

口内炎

口内炎は、口の中や唇周辺に、腫れや炎症が起きる病気です。口内炎はできる箇所によって名称が異なります。口周りや唇にできる場合は「口唇炎」と呼ばれ、口角にあたる唇の両端にできる場合は「口角炎」と呼ばれています。頬の内側や歯茎、唇の内側にもできやすいのが特徴です。

ヘルペス以外の水ぶくれ

ヘルペス以外でも唇等に水ぶくれができる病気があります。口角炎や「アレルギー性接触性皮膚炎」、「薬疹」などがあります。これらの水ぶくれの症状は、抗ウイルス薬では治療できません。対処方法が異なるため、病院に行かずにご自身で治療する場合は、症状の見極めが必要となります。

感染と発症

単純ヘルペスウイルスに初めて感染した時に、症状が出ると重症化しやすい傾向があります。しかしヘルペスウイルス初感染時に症状が出ない場合も多々あり、感染するとウイルスは神経節に忍び込んで息を潜めて潜伏しているのです。過度のストレスや疲労、免疫力の低下などを原因として、潜んでいたヘルペスウイルスが活性化し、中枢神経を通って身体中の至る所で病変を起こしていきます。この症状を大きなくくりで「単純疱疹」と呼びます。特に粘膜部分に病変が起きやすいのが特徴です。口周りや性器周りに症状が多くあらわれ、目や脳にも症状があらわれることもあります。

単純疱疹で口や唇に病変があらわれれば「口唇ヘルペス」になります。口唇ヘルペスを引き起こすウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)という種類のヘルペスです。主に上半身に症状があらわれます。

性感染症のひとつとして非常に危険な性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)という種類になり、主に下半身に症状があらわれます。